本記事では、遺品整理の進め方についてステップ順に詳しくご紹介します。遺品整理は、亡くなられた方の思い出を大切にしながら行う重要な作業です。この記事では、効率よく遺品整理を進めるためのポイントや注意点、思い出の品々を選別するコツ、処分方法などを解説します。
遺品整理は感情的にも体力的にも負担が大きい作業ですが、正しい方法で進めることで負担を軽減し、スムーズに整理を進めることができます。本記事を参考に、効率よく遺品整理を進めてみてください。
目次
そもそも、遺品整理は自分でやるべき?業者に頼むべき?
遺品整理を自分で行うか事業者に依頼するかお悩みの方も多いかと思います。
ここでは遺品整理を自分で行うメリットとデメリット、事業者に依頼するメリットとデメリットをご紹介いたします。
メリット | デメリット | |
自分で遺品整理を行う場合 | ・コストを抑えられる ・プライバシーの確保 ・ゆっくりと故人との思い出を振り返ることが出来る | ・時間と労力がかかる ・誤って必要なものを処分しまうリスク ・精神的に負荷がかかる |
遺品整理を事業者に頼む場合 | ・遺品整理がすばやく終わる ・高度な専門知識と経験がある ・大きな家具や家電を任せられる | ・費用がかかる ・プライバシーの問題 |
自分で遺品整理を行う最大のメリットは、コストを抑えられることです。業者に依頼する費用がかからないため、家計に優しい選択と言えるでしょう。また、他人に故人の遺品を見られることなく、自分たちだけでプライバシーを保ちながら遺品整理を進められる点も魅力です。そして、何より、遺品に一つ一つ丁寧に向き合いながら、故人との思い出をゆっくりと振り返ることができる時間が持てるという点も、自分で行う遺品整理の醍醐味です。
一方で、自分で遺品整理を行うには、かなりの時間と労力が必要です。特に、遺品の量が多い場合や、整理のための知識が不足している場合、作業は予想以上に大変です。加えて、誤って必要なものを処分してしまうリスクや、故人の思い出に触れることで精神的に負荷がかかることも考慮しなければなりません。
それに対して、業者に遺品整理を依頼するメリットは、作業がすばやくおわることです。プロの業者は高度な専門知識と経験を持ち、効率的に遺品整理を行ってくれます。特に、大きな家具や家電などを任せられるのは大きな利点です。短期間で作業を終わらせたい場合には、業者に依頼することが最適かもしれません。
しかし、業者に依頼することには費用がかかるというデメリットがあります。また、他人に故人の遺品を見られることに抵抗を感じる人も多いでしょう。プライバシーの問題は、業者選びの際に注意が必要なポイントです。
結局のところ、遺品整理を自分で行うか事業者に頼むかは、状況や個々の価値観によります。時間と労力を惜しまず、故人との時間を大切にしたい方には自分での整理が向いています。一方、急ぎで遺品整理を行う必要がある方やご高齢で遺品整理する体力がない方、遺品の量が多い場合は、事業者に依頼することで負担を軽減することができます。自分に合った方法を選び、無理のない形で遺品整理を進めてください。
遺品整理はいつから始めればいいのか?
遺品整理を始めるタイミングは、一概に「いつが最適」と言えるものではありません。ここでは遺品整理が良く行われるタイミングをご紹介しますので、自分で片付けを行う際にはご参考下さい。
まず、心の整理がついてから始めるのが理想的です。故人を失ったばかりでは、感情がまだ整理されておらず、遺品に触れることで強い悲しみを再び感じることがあります。そのため、無理に急ぐことなく、心が少し落ち着くまで待つのが良いでしょう。
次に、現実的な面も考慮する必要があります。特に賃貸住宅で暮らしていた場合、更新や契約の関係で早急に片付けをしなければならない場合もあります。
また、遺品の整理には時間と労力がかかるため、家族や親戚のスケジュールや体調なども考慮して計画を立てることが重要です。
一方で、故人の家が空き家になってしまった場合は空き巣や放火のリスクが固まりますので、早めの遺品整理がオススメです。また、写真や書類、布製品などは時間が経つと劣化してしまうことがあるため、なるべく早めに遺品整理を始めることが推奨されます。
最終的には、自分や家族、親族の感情や状況に合わせて、無理のないタイミングで始めることが大切です。遺品整理は単なる片付けではなく、故人との最後の時間を大切にするための重要な作業ですので、心と体の準備が整ったときに進めてください。
遺品整理の進め方6ステップ
遺品整理の進め方は、以下のようなステップになります。
- 遺言書やエンディングノートを確認する
- 必要なものを準備する
- 遺品を仕分けする
- 遺品を分配する
- 遺品を処分する
- 部屋を清掃する
それでは、各項目について詳しく解説していきます。
1.遺言書やエンディングノートを確認する
遺品整理を行う際、一番最初に行うことは、遺言書やエンディングノートがあることを確認しましょう。遺言書やエンディングノートに書かれた内容に沿って行うことが一般的です。
遺言書にも種類があります。
- 自筆証書遺言:遺言者本人が自筆で書き、日付と署名を記して押印する遺言です。作成する形式が法律で厳格に定められており、要件を満たさない遺言書は法的に無効となってしまいます。家庭裁判所での検認手続きが必要です。
- 公正証書遺言:公証人が遺言者本人から遺言の内容をヒアリングして作成される遺言書です。原本が公証役場で保管されるため、改ざんや紛失の恐れがなく。法律的に正確で信頼性があります。自筆証書遺言と違い、家庭裁判所での検認の手続きは不要です。
- 秘密証書遺言:内容を秘密にしたまま存在を公証役場で証明してもらう遺言書です。
- エンディングノート:自分の人生の終末を記したノートのこと
遺言書には、財産の分配や相続に関する詳細が記されており、法的効力があります。自筆証書遺言と秘密証書遺言は、偽造の防止や要件の確認のために家庭裁判所での検認が必要です。
封がされていない遺言書でも、勝手に開封すると法律違反となり、罰則を受けることがあります。遺言書を発見した場合は、家庭裁判所に提出して検認を受けましょう。
公正証書遺言の場合は家庭裁判所での「検認」の手続きは不要です。
エンディングノートは法的効力がありませんが、故人の意思や希望が記されています。これを実行するかどうかは遺族や相続人に委ねられますが、しっかりと内容を確認しておき、出来る限り故人の思いに寄り添ってあげてください。
2.必要なものを準備する
遺品整理に必要、またはあると便利なものをは以下の通りです。
- 段ボール箱:分けて保管するための箱。
- ラベルシール・マーカー:箱や袋の中身をわかりやすくするための表示用。
- 軍手:手を汚さずに作業するため。
- マスク:埃を吸い込まないようにするため。
- 掃除道具:ほうき、ちりとり、掃除機など、掃除するための道具。
- ハサミ・カッター:梱包を解く、または処分するものを切るため。
- ノート・ペン:重要な情報を書き留めるため。
- ドライバーセット:家具や家電を分解するため。
- 書類整理用品:重要な書類を整理するためのファイルやバインダー。
- 消毒用具:手や道具の消毒に使うため。
- ビニール紐:雑誌などをまとめる時に使用。
- 遺品整理業者の連絡先:自分たちだけで対処できない場合に備えて専門業者の連絡先を準備。
3.遺品を仕分けする
遺品整理の必要なものが準備ができたら、遺品を仕分けしていきます。
品物を以下のように仕分けると後の作業が楽になります。
- 思い出の品
- 重要書類(相続)
- 貴重品
- 譲渡や寄贈
- 売却
- 処分
遺品をカテゴリーごとに仕分けすることで、整理がスムーズになり、必要なものと不用なものを効率的に選別できるメリットがあります。また、重要な書類や貴重品を見逃すことなく確実に保管でき、思い出の品や日用品などの処理も計画的に進められるため、精神的な負担が軽減されます。
4.遺品を分配する
貴重品や相続品、思い出の品などを親族や故人の友人に分配します。遺言書やエンディングノートがある場合は、その内容に従って分配を行いましょう。
遺言書やエンディングノートがない場合は、遺族で話し合って決定します。全員が納得できる形で分配を進めることが重要です。
5.遺品を処分する
遺品の中には利用価値のない不用品も含まれています。部屋のスペースを無駄に消費するだけですので早めに処分をしてしまいましょう。遺品整理で出た不用品は、適切に処分しましょう。
また、重要なものを間違って捨てないように注意しながら行いましょう。
6.部屋を清掃する
遺品の整理が終わったら、部屋を掃除しましょう。
遺品整理を進める際の4つのポイント
遺品整理は故人の大量の物品を片付けることになります。
以下のポイントを意識して作業を進めることをおすすめいたします。
- 気持ちの整理をする
- スケジュールを立てて作業を行う
- 仕分けのルールを親族で決める
- 自分で対応が難しい場合はプロに依頼する
気持ちの整理をする
遺品整理をするときに気持ちを整理するためには、故人との思い出を大切にしながら、時間をかけてゆっくりと進め、必要ならば信頼できる友人や家族にサポートをお願いすることが大切です。
また、遺品を一つ一つ手に取って思い出を振り返ることで、気持ちの整理が進みやすくなります。無理をせず、自分のペースで進めることが心の負担を軽減します。
スケジュールを立てて作業を行う
遺品整理をスケジュールを立てて効率的に進めるためには、まず整理する範囲を確認し、各作業に必要な時間を見積もった上で、具体的な日程と優先順位を決め、無理のないペースで計画的に進めることが重要です。
仕分けのルールを親族で決める
遺品の仕分けのルールを親族で決めるためには、全員が集まって話し合いを行い、それぞれの意見や希望を尊重しながら、透明性と公平性を保つようにルールを合意し、文書化しておくことが大切です。
自分で対応が難しい場合はプロに依頼する
遺品整理はとても多くの物品を片付けるため、自分たちだけで行うには労力が必要です。仕事や家事などをしながら遺品整理をする場合、使える時間が限られてしまうため、想像以上に時間がかかるケースもあります。
遺品整理のプロに依頼できれば、遺品の仕分け、貴重品の捜索、処分などあらゆる作業を任せることが可能です。また、業者によっては高価なものを買い取ってもらえるサービスがあります。遺族が対応する負担を軽減し、遺品整理をスピーディに完了できます。
遺品整理を進める際の注意点
ここでは遺品整理を進める際の注意点をご紹介いたします。
以下の内容に注意して作業を開始しましょう。
- 親族でゆっくり話し合う
- 重要な物を処分しないように気を付ける
- 相続手続きは専門家に相談する
親族でゆっくり話し合う
遺品整理を進める際、親族でゆっくり話し合うことで、故人への思い出を共有しながら、お互いの意見や感情を尊重して納得のいく方法で進められるというメリットがあります。
故人の判断で勝手に行うと誰かにとっては思い出の品だった物などを捨ててしまいトラブルに発展する可能性がありますのでご注意ください。
重要な物を処分しないように気を付ける
遺品の中には重要なものが紛れ込んでいる場合があります。
自分の判断だけで処分してしまわぬよう、慎重に遺品整理を行うようにしましょう。遺品の処分を行う際は、親族と相談、確認をしてからにしましょう。
相続手続きは専門家に相談する
遺品整理をする中で遺産相続をするなら、相続手続きを専門家に相談することがおすすめです。法律に基づいた正確な手続きが行えるため、相続に関するトラブルやミスを防ぐことができます。また、専門家のアドバイスにより、相続税や各種手続きに関する複雑な問題もスムーズに解決でき、結果として家族の負担を軽減することができます。
遺品整理を業者に依頼するのがおすすめのケース
自分や親族のみでも遺品整理を行えますが、以下の場合は業者に依頼するのがおすすめです。
- 遠方に住んでいる
- 量が多く時間がない
- 心の負担が大きい
- 特殊清掃が必要
- 効率的に進めたい
- 高齢者や体力の問題
- お家丸ごと売る場合
遺品整理業者は、遺品の仕分けから、分別、処分、清掃など様々な作用に対応しています。
また、現地に行けない場合でも近くの業者が対応してくれます。遺品整理に行く回数を削減しながら作業を進めることが可能です。
遺品整理業者は、基本的にどんな広さ、量でも作業をしてくれます。大量の遺品があって自分では対応できない場合であっても、気軽に依頼できます。
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